ロシアのウクライナ侵攻開始から数週間後、米ネットワーク機器大手シスコシステムズはロシア向けのハードウエア販売を全面停止した。米政府もシスコ製品の輸出規制を含め、対ロシア制裁措置を相次ぎ発動した。それから間もなく1年がたつが、モスクワの小売店舗ではシスコ製品がなお入手可能な状況にある。トルコやアジア諸国の業者がシスコの許可を得ず、規制をかいくぐってロシアに供給しているためで、米当局の取り締まりも総じて届かない。米国はロシアの侵攻を手助けする機器を提供し、西側の制裁による痛みを和らげているとして、トルコや中国などを非難している。それでも西側の製品は、大幅に制限されているとは言え、ロシアに引き続き流れ込んでいるのが実情だ。