コロナ禍の収束を待たずに、今度は資源・資材の高騰や円安急進が企業を揺さぶっている。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2022年10〜12月度のカフェ・レストラン編だ。
ドトール、サンマルク、コメダ…
カフェ業界で「独り勝ち」はどこ?
カフェ・レストランの主要3社が発表した2022年10〜12月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯ドトール(ドトール・日レスホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
10月度:前年同月比112.4%(12.4%増)
11月度:同106.3%(6.3%増)
12月度:同108.7%(8.7%増)
◯サンマルク(サンマルクホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
10月度:前年同月比115.8%(15.8%増)
11月度:同107.0%(7.0%増)
12月度:同106.3%(6.3%増)
◯コメダ珈琲(コメダホールディングス〈HD〉)のFC向け卸売売上(既存店)
10月度:前年同月比105.3%(5.3%増)
11月度:同106.6%(6.6%増)
12月度:同106.1%(6.1%増)
12月度の業績において、今回取り上げるドトール、サンマルク、コメダ珈琲の3社全てが前年度の実績を超えた。しかし、これを見て「カフェ業界は絶好調」と考えるのは早計だ。各社の実績を時系列で分析すると、実態はまるっきり違う。
実はこの増収が「本物」である勝ち組企業1社と、「見せかけ」でしかない負け組企業2社に分かれている。勝ち組企業はどれか、予想はつくだろうか。次ページで答えを解説しよう。