年末調整のイメージ写真Photo:PIXTA

「年末調整シーズン」真っ盛りの今、年末調整の「よくあるミスと勘違い」について注意喚起をしたい。今回は3つのケースをご紹介する。併せて、税金を払い過ぎて損をしないように、どう対応すべきかのアドバイスもお届けする。(ファイナンシャルプランナー〈CFP〉、生活設計塾クルー取締役 深田晶恵)

年末調整の「よくあるミスと勘違い」
典型的な3事例とは

 会社員、公務員にとっての年中行事ともいえる「年末調整」の時期となった。年末調整とは、ごく簡単に言うと「1年間の所得税の過不足を精算する手続き」のことである。

 毎回の給与とボーナスから天引き(源泉徴収)されている所得税は、収入や扶養家族の人数などを基に概算で計算されている。そこで年末調整では、「その他の個別事情」を考慮してその人の正確な所得税額を算出する。

 その結果の所得税額が、毎月概算で給与から天引きされていた所得税の合計額より少ないと、払い過ぎた税金は12月の給与で還付金として戻ってくる。逆のケースもあるが、多くの場合「還付」となる。

 その個別事情を記載するのが年末調整の書類なのだ。今回は、年末調整の書類の記入でよくあるミスと勘違いの3つのケースを紹介する。損をしないために漏れもミスもないように記入しよう。

(1)妻のパート収入金額の記載ミス
(2)共働き夫婦の子どもと親の扶養控除ミス
(3)扶養している親の介護をしていると受けられる控除があるのを知らなかった

 大前提をとして知っておきたいのは、「控除」の意味。控除とは「引けるもの」、つまり税金の計算上での「非課税の枠」と考えていい。控除が多いほど税金は少なくなる。なので、控除は漏れなく使いたい。

 では順番に見ていこう。