電気自動車(EV)への移行は不可避というのが自動車メーカー幹部のほぼ一致した意見だ。だが、キモは「どれほどのペースで移行するか」であり、これをどう判断するかで経営戦略も変わってくる。
従来の自動車メーカーは段階的にガソリン車からEVに移行する方針を表明しているが、各社の予定には開きがある。自動車メーカーにとっては、消費者に先行してEV投入を急げば、コストが膨らみ、ガソリン車の販売が落ち込みかねない。ガソリン車の売上高はEV投資への原資として不可欠だ。
一方で、EV投入でライバル勢に後れをとれば、今後数十年の大きな成長分野とみられる市場で、自社ブランドを確立する機会を逸してしまう恐れがある、と幹部らは話す。