イランで兵器級に近い高濃縮ウランが見つかった問題で、米国と欧州同盟国の間で今後の対応を巡り意見が分かれている。英仏独はイランに対し正式な非難決議の採択を求める一方、バイデン米政権は消極的な姿勢を崩していない。議論に加わった外交当局者らが明らかにした。  国際原子力機関(IAEA)は今週、イランで濃縮度が兵器級の約90%に迫る約84%の高濃縮ウラン粒子が見つかったと報告した。  兵器級の核物質が製造されていることがはっきりすれば、イランの核開発計画を巡る危機に発展する可能性がある。欧州の外交当局者は、2015年のイラン核合意の完全崩壊につながりかねないと語る。