給与収入だけで老後資金をまかなえるのか不安に思う人が増えている。多くの人にとって「投資」が避けて通れない時代になってきた。資産を増やすという点で大きな選択肢の1つになるのが株式投資だ。「株投資をはじめたいけど、どうしたらいいのか?」。そんな方に参考になる書籍『株の投資大全ーー成長株をどう見極め、いつ買ったらいいのか』(小泉秀希著、ひふみ株式戦略部監修)が3月15日に発刊される。「ひふみ投信」の創始者、藤野英人氏率いる投資のプロ集団「ひふみ株式戦略部」が全面監修した初の本。株で資産をつくるためには、何をどうすればいいのか? 本連載では、特別に本書から一部を抜粋・編集してその要旨をお伝えしていく。

もし24年前にファーストリテイリングに20万円投資していたら、今いくらになったのか?<br />Photo: Adobe Stock

成長株への長期投資こそ、株式投資の王道

 株式投資の魅力は、資産を爆発的に増やせる可能性があることです。

「バイトでためた100万を元手に1億円作った」というような話が投資本やネットであふれていますが、実際に私は株式ライターとして20年以上活動する中で、そういう人たちをたくさん見てきました。

 特に、インターネットが普及して個人投資家でも多くの情報が取れ、格安な手数料で気軽に株取引ができるようになってから、大きく資産を増やす個人投資家が若い層を中心に劇的に増えました。

 では、どうしたら株式投資で財を成すことができるのでしょうか。

 最もシンプルで強力な方法は成長株への長期投資です。歴史的に見ても株で財を成した人の多くが行ってきたのはこの方法であり、これこそ株式投資の王道です。

 たとえば、24年前にユニクロを運営するファーストリテイリングに20万円投じた場合、その元本は今2500万円になり、毎年支払われる年間の配当は20万円となっています。

 また、25年前にドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナル・ホールディングスに20万円を投資していたら、元本は1800万円になり、年間の配当は15万円になっています。

 さらに、業務スーパーを運営する神戸物産に14年前に20万円投資していたら、元本は2300万円になり、年間の配当は13万円になっています。

 このように、優れた成長企業の株というのは、投資してから10年後、20年後にとてつもない優良資産になる可能性があります。

 もし今、手元に使う予定のない20万円があったら、将来性がありそうな株を探して投資しましょう。

小泉秀希(こいずみ・ひでき)
株式・金融ライター
東京大学卒業後、日興證券(現在のSMBC日興証券)などを経て、1999年より株式・金融ライターに。マネー雑誌『ダイヤモンドZAi』には創刊時から携わり、特集記事や「名投資家に学ぶ株の鉄則!」などの連載を長年担当。『たった7日で株とチャートの達人になる!』『めちゃくちゃ売れてる株の雑誌ザイが作った「株」入門』ほか、株式投資関連の書籍の執筆・編集を多数手がけ、その累計部数は100万部以上に。また、自らも個人投資家として熱心に投資に取り組んでいる。市民講座や社会人向けの株式投資講座などでの講演も多数。
ひふみ株式戦略部
投資信託ひふみシリーズのファンド運用を担うレオス・キャピタルワークスのメンバーにより構成された本書監修プロジェクトチーム。
ひふみ投信:https://hifumi.rheos.jp/