給与収入だけで老後資金をまかなえるのか不安に思う人が増えている。多くの人にとって「投資」が避けて通れない時代になってきた。資産を増やすという点で大きな選択肢の1つになるのが株式投資だ。「株投資をはじめたいけど、どうしたらいいのか?」。そんな方に参考になる書籍『株の投資大全ーー成長株をどう見極め、いつ買ったらいいのか』(小泉秀希著、ひふみ株式戦略部監修)が3月15日に発刊された。「ひふみ投信」の創始者、藤野英人氏率いる投資のプロ集団「ひふみ株式戦略部」が全面監修した初の本。株で資産をつくるためには、何をどうすればいいのか? 本連載では、特別に本書から一部を抜粋・編集してその要旨をお伝えしていく。

【株式投資必修講座 ステップ 4】財務諸表のチェックでわかる重要な4つのことPhoto: Adobe Stock

貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書を見てみよう

 財務諸表は、会社の業績、資産・負債、キャッシュフロー(現金収支)などの財務データを定期的に集計・整理して公表する資料であり、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書などがあります。

 貸借対照表は、資産と負債の状況に関する資料です。貸借対照表では、現金・預金、有価証券などの金融資産がどのくらいあるか、有利子負債(借入金や社債)がどのくらいあるか、などの状況がわかります。

 損益計算書は、収益状況に関する資料です。売上原価や販売費・一般管理費などコスト構造がわかり、収益体質を確認することができます。

 キャッシュフロー計算書は、現金の収支に関する資料です。営業キャッシュフロー(本業の現金収支)、投資キャッシュフロー(投資活動での現金収支)、財務キャッシュフロー(財務活動による現金収支)などの状況がわかります。

 これらのデータを見ることによって、「財務面から見た株の上昇余地」「資金繰りの余裕度・危険度」「収益力」「成長性」など、さまざまなことがわかります(図参照)。

 これら財務諸表の分析については、またあとで説明します。

小泉秀希(こいずみ・ひでき)
株式・金融ライター
東京大学卒業後、日興證券(現在のSMBC日興証券)などを経て、1999年より株式・金融ライターに。マネー雑誌『ダイヤモンドZAi』には創刊時から携わり、特集記事や「名投資家に学ぶ株の鉄則!」などの連載を長年担当。『たった7日で株とチャートの達人になる!』『めちゃくちゃ売れてる株の雑誌ザイが作った「株」入門』ほか、株式投資関連の書籍の執筆・編集を多数手がけ、その累計部数は100万部以上に。また、自らも個人投資家として熱心に投資に取り組んでいる。市民講座や社会人向けの株式投資講座などでの講演も多数。
ひふみ株式戦略部
投資信託ひふみシリーズのファンド運用を担うレオス・キャピタルワークスのメンバーにより構成された本書監修プロジェクトチーム。
ひふみ投信:https://hifumi.rheos.jp/