ナレンドラ・モディ氏は先週、20カ国・地域(G20)外相会合の議長国トップとして、伝統的にインド首相に求められる中立的な役割を果たし、ロシアと米国のいずれの側にもくみしなかった。しかし中立の立場を公言する裏で、インドは西側諸国寄りへと姿勢を転換し始めている。これは、インドが長年にわたり関係を続けているロシアよりも、インドと西側諸国がともにますます主要な敵対国と見なすようになっている中国と深く関わりのある動きだ。インドのこの政策転換は、日米豪印のいわゆる「クアッド」と呼ばれるより緊密な安全保障協力に表れている。同様に重要な意味を持つ可能性があるのは、貿易政策にもこの転換が見られることだ。