中国沿岸から約48キロ離れた台湾の小島・東引の住民たちは過去数十年間、緊張関係の最先端で暮らしてきた。この1カ月間は、台湾と中国の間で紛争が発生した場合に起こり得ることを経験することになった。台湾当局によると、中国漁船が2月2日、台湾の馬祖列島の一部である東引島と台湾本島を結ぶ海底通信ケーブルを損傷させた。その6日後、馬祖列島と台湾本島をつなぐ別の海底ケーブルが中国の貨物船によって切断されたという。この結果、馬祖列島の多くの住民がインターネットから遮断された。ネットバンキングが混乱し、POS(販売時点情報管理)システムが機能しなくなったことから、一部の企業は現金を使うことを余儀なくされた。地域経済の柱の一つである観光業界には不安が渦巻いた。
台湾の離島、戦時シナリオを経験 ネット不通に
海底ケーブルの切断で住民は携帯電話もネットもつながらない日々を過ごした
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