米シリコンバレー銀行の持ち株会社SVBファイナンシャル・グループは、増資によって財務改善を目指す計画を撤回し、身売り先を探している。事情に詳しい関係者が明らかにした。SVBは顧客による大規模な資金引き揚げに直面し、事業継続も危ぶまれている。9日の米株式市場でSVBは急落し、10日寄り付き前の時間外取引では68%安となる場面もあった。その後、SVB株には売買停止措置が取られた。こうした事態を受け、SVBは22億5000万ドル(約3020億円)規模の増資計画を中止し、事業の買い手を見つけることや、あるいは他の救済策を模索することに焦点を移していると関係者は語る。選択肢には大手金融機関への身売りや、大手投資家による出資などが考えられるという。関係者によると、合意が成立せず、政府がSVB救済を迫られる可能性もある。