「新型コロナウイルス」感染拡大から3年。ようやく国内外で収束の兆しが見えてきた。3月13日からはマスク着用が個人の判断に委ねられ、5月以降は季節性インフルエンザと同じ感染症法上の「5類」に移行する。コロナ禍で停滞した経済活動に明るさが戻りつつある。だが、足元では資源高や原材料高、電気・ガス料金など、あらゆる物価が上昇している。コロナ禍を克服し、企業が業績回復に向けて歩みだすには、いま何が必要か。東京商工リサーチ(TSR)が探った。(東京商工リサーチ情報部 小川愛佳)
増収見込みの企業ほど
「人手不足」の傾向
企業業績に影響を与える大きな要因のひとつは「人手」の確保だ。TSRが2月に実施した企業アンケート調査から、増収見込みの企業の「人手の状況」、そして「2022年度の増収率」の回答をクロス集計し、分析した。人手の状況を「非常に不足」「やや不足」「充足」「やや過剰」「非常に過剰」に5分類し、それぞれ増収率の平均値を算出した。
その結果、人手が「非常に不足」と回答した企業の平均増収率は19.1%、「やや不足」が16.1%に対し、「やや過剰」は12.9%、「非常に過剰」は3.1%だった。また、「充足している」は16.6%だった。
これらから、人手が不足している企業ほど増収率(2022年度見通し)が高い傾向にあることがわかる。