米議員の間で国内農業に対する中国の影響力拡大を懸念する声が高まる中、豚肉販売・加工で米最大手のスミスフィールド・フーズは懸念の払しょくに努めている。創業86年のスミスフィールドは2013年に中国の豚肉加工大手、万洲国際(WHグループ)に買収された。米中間の緊張が高まるにつれ、中国資本との関係に批判の目が向けられるようになった。連邦議員や州議員からは、国内の食料サプライチェーン(供給網)を守り、農地が中国の諜報(ちょうほう)活動に利用されないようにすべきとの声が上がっている。スミスフィールドのシェーン・スミス最高経営責任者(CEO)はインタビューに応じ、こうした懸念は的外れとの認識を示した。ここ数年で陰謀論が流布し、同社が豚を中国に送って加工させ、その加工品を米消費者向けに販売しているという説もその一つだが、実際には飼育も加工も米国内で行っていると話した。