近年、「頭の回転の速さの象徴」としてお笑い芸人が多くの場面で活躍をしている。そんなあらゆるジャンルで活躍をし続けるお笑い芸人たちをこれまで30年間指導し、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』でも話題になった伝説のお笑い講師・本多正識氏による『1秒で答えをつくる力 お笑い芸人が学ぶ「切り返し」のプロになる48の技術』が発刊された。ナインティナインや中川家、キングコング、かまいたちなど今をときめく芸人たちがその門を叩いてきた「NSC（吉本総合芸能学院）」で本多氏が教えてきた内容をビジネスパーソン向けにアレンジした『1秒で答えをつくる力 お笑い芸人が学ぶ「切り返し」のプロになる48の技術』より、本文の一部を抜粋・再編集しお届けする。
Photo: Adobe Stock
苦手な話題を振られたとき黙ってしまっていないか
ここでは準備の重要性について解説をしたいと思います。それもただの準備ではなく、私のまわりにいるコミュ力の高いビジネスパーソンや売れっ子のお笑い芸人がやっている準備です。
コミュ力の高い人は「平均値を上げる準備」に常に焦点を絞っています。どういうことかというと、どんな話題をいつ振られても反応できる準備をしているということです。
この能力は「リアクション」が中心になるので口数が少ない、自分からは話すのが苦手という方でも十分に実践ができます。実際に私のまわりにもおしゃべりではないのに異常にコミュ力の高い人がたくさんいます。
いつでも話を振られても大丈夫なように備えるためには「ベスト」「ベター」「バッド」の3パターンを想定しておくことが大切です。
ベストは言うまでもなく、「これだったらいける」という自分の100％の答えです。不測の事態がなにも起きなければベストな答えをそのまま出せばいいでしょう。話を聞きながら自分はこういう意見だなと思うものを素直に出せば大丈夫です。自分が得意な話題であれば、誰でも準備ができるでしょう。
問題はなにかが起きたときの対策として「ベター」と「バッド」の2つの準備もしておけるかどうかです。それぞれ見ていきましょう。
