「論点をズラして話す人」のたった1つの特徴ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

SNSの総フォロワー数は300万人を超え、YouTube動画の月間再生数は3億回を超えるなど、現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の最新刊『99%はバイアス』では、「ブレイクの秘訣」を明かし、「どうすれば影響力を持てるのか?」「口のうまい人がトクする世の中で、どう生きるべきか?」などをマジメに語った。
この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

そもそも「論点」って何?

「ひろゆきは論点をズラして話す」というコメントや書き込みを、よく見かけます。

 なぜ、そういうことが言われるか、ちょっと述べてみたいと思います。

 そもそも「論点」というのは、誰が設定するのでしょうか。

 AさんとBさんが話しているだけなら、論点は「Aさんにとっての論点」と「Bさんにとっての論点」があります。なんとなく同じ論点を見ているようでいて、その2つは微妙にズレているはずです。

 もし、それを傍観するCさんとDさんがいるなら、「Cさんにとっての論点」と「Dさんにとっての論点」があるわけです。

 そういう意味では、「誰が見ても明らかな論点が1つだけある」というのは「思い込み(バイアス)」なんですよね。

 とはいえ、この世は多数決で決まることが多いと思います。なので、「ひろゆきはひろゆきの論点として話している」と思ってもらえると、それを判断するのは、見ている側の大衆なのでしょう。

話上手な人は「結論ファースト」

 さて、上手に話すためには「結論」を10秒以内で話してしまうことが大事だと言われます。

 最初の10秒の段階では相手に誤解されたり、ドキッとさせてもいいんですよね。「えっ?」と言われたときに、すぐに取り繕ってはいけないわけです。

 その「結論」で相手を引きつけたら、そこから「状況説明」や「補足情報」を、その人なりに付け加えていけばいいんです。徐々にネタバラシをしていくような感覚ですね。

 もし、情報に不足していることがあるとしたら、相手から質問されると思います。

「それ、どこで?」「いつ?」「なんでそうなったの?」と、聞かれたら、それに答えればいい。最初から誤解なく正しく伝えようとすればするほど、あなたの話は長くなり、つまらなくなります。

 だから、それを傍観している人は、離れていってしまうんですよね。「結論」が与えられていない話は、誰も聞いてくれないわけです。

「わかりあえる」と信じ込みたい人たち

 こういう話をすると、「聞く力が大事だ」「わかりあうことが重要だ」と、綺麗事が言われます。

 でも、そんなのは「話せば理論が通じる」と思い込んでいる人の理想だと思うんですよね。

 僕が相手にしているのは、あくまで一般の人たちです。建設的な学術研究は、頭のいい人たちだけでやってもらえればいいと思います。

 しかし社会には、ネットでいう「匿名で書き込む一般大衆」がほとんどです。「ひろゆき」というのは、彼らに向けて、「さて、どちらが納得しますか?」という僕なりの考えを発信しているだけなんですよね。

 そういう目線で過去の僕の発言を見返してみましょう。間違っても、「専門家のひろゆきが答えを教えてくれる」という目線では見ないように気をつけてください(笑)。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、シリーズ50万部を突破した『99%はバイアス』『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。