ジェローム・パウエル議長率いる米連邦準備制度理事会(FRB)は今週、数年ぶりの難しい選択に直面する。根強いインフレ退治に向けて利上げを進めるべきか、それとも2008年以来の銀行危機に見舞われる中で利上げを見送るべきか、際どい判断になりそうだ。
FRBが0.25ポイントの利上げに踏み切るかどうかは、スイス当局の強い働きかけで実現した同国銀行最大手UBSによる第2位クレディ・スイスの救済合併や、一連の危機封じ込め策を、市場がどう受け止めるかに左右される可能性が高い。FRBは22日、連邦公開市場委員会(FOMC)の2日間の日程を終える。
FRBはここ1年、市場のサプライズを避けつつ、ボラティリティーを最小限に抑えるため、金利の見通しについて事前に手掛かりを示してきた。これまではFOMC会合の前日に突如として危機に見舞われることもなかった。