インフレ・円安の時代に入った今、資産を預金だけで持つことはリスクがあり、おすすめできない。「先行き不透明な時代」には、これまで投資に無縁だった人も資産を守り・育てるために資産運用を始める必要がある。『このままではあなたの現金の価値が下がる! インフレ・円安からお金を守る最強の投資』(朝倉智也著、ダイヤモンド社)が3月29日に発売された。本書は、投信業界のご意見番が新しい時代を乗り切る「究極の運用法」をアドバイスするお金の入門書だ。大切なお金を守り増やすためには、どうすればいいのか? 本連載では、特別に本書から一部を抜粋・編集してその要旨をお伝えしていく。
投資した資金を2倍にするのに、
何年かかるのか?
ここでもう1つ、知っておきたい投資の基本知識をお伝えいたしましょう。「72の法則」は、聞いたことがあるでしょうか。
この法則は、投資した資金を2倍にするのに何年かかるかを「72÷金利」で計算できるというものです(下図)。
たとえば、前回ご紹介したJPモルガン・アセット・マネジメントの予測では、今後10~15年の世界株式の期待リターンは年8.5%でした。
では、仮に年8.5%で運用できた場合に、投資した資金が倍になるのに何年かかるでしょうか。
「72の法則」を用いて計算すると、投資したお金が2倍になるのにかかる年数は、
「72÷8.5=8.5年」
ということになります。
このような計算を実際にしてみると、複利運用の効果の大きさがさらにイメージしやすいのではないでしょうか。
(本稿は『インフレ・円安からお金を守る最強の投資』の一部を抜粋・編集したものです)
SBIグローバルアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
1966年生まれ。1989年慶應義塾大学文学部卒。銀行、証券会社にて資産運用助言業務に従事した後、1995年米国イリノイ大学経営学修士号(MBA)取得。同年、ソフトバンク株式会社財務部にて資金調達・資金運用全般、子会社の設立、および上場準備を担当。1998年モーニングスター株式会社(現 SBIグローバルアセットマネジメント株式会社)設立に参画し、以来、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努める。SBIホールディングス株式会社 取締役副社長を兼務し、SBIグループ全体の資産運用事業を管掌する。主な著書に『全面改訂 投資信託選びでいちばん知りたいこと』『改訂新版 ETFはこの7本を買いなさい』『一生モノのファイナンス入門』(以上、ダイヤモンド社)、『「iDeCo」で自分年金をつくる』(祥伝社新書)、『お金の未来年表』(SB新書)などがある。