インフレ・円安の時代に入った今、資産を預金だけで持つことはリスクがあり、おすすめできない。「先行き不透明な時代」には、これまで投資に無縁だった人も資産を守り・育てるために資産運用を始める必要がある。このままではあなたの現金の価値が下がる! インフレ・円安からお金を守る最強の投資』(朝倉智也著、ダイヤモンド社)が3月29日に発売された。本書は、投信業界のご意見番が新しい時代を乗り切る「究極の運用法」をアドバイスするお金の入門書だ。大切なお金を守り増やすためには、どうすればいいのか? 本連載では、特別に本書から一部を抜粋・編集してその要旨をお伝えしていく。

今後10~15年の世界株式の期待リターンは、年率何%が見込めるのか?Photo: Adobe Stock

成長企業が世界の株価を牽引する

 なぜ世界の株価は中長期で上昇していくのかと言えば、たとえ景気が後退している局面であっても、必ず新たな企業の勃興があるからです。

 前回にも掲載した下図をご覧いただくと、ITバブル崩壊の前にはアマゾンやグーグル、ネットフリックスが創業し、リーマン・ショック前にはテスラやフェイスブック、スポティファイが、そしてリーマン・ショックのさなかにもエアビーアンドビーやウーバーが立ち上がっていたことがわかるでしょう。

 そして今も、AI(人工知能)ブロックチェーン(分散型台帳技術)IoT(モノのインターネット:Internet of Things)メタバース(コンピュータネットワークの中につくられた仮想空間やサービス)EV(電気自動車)量子コンピュータなどの領域で新興企業が次々に誕生しています。

 いずれは、これらの新興企業の中から世界を牽引する企業が現れ、大きく成長していくに違いありません。

「長期的に見れば世界経済は拡大する」ということを信じられるのであれば、これから世界を牽引していく企業に投資をしていくことが、その成長の果実を得ることにつながるはずです。

今後10~15年の世界株式の期待リターンは
年8.5%

 下図は、JPモルガン・アセット・マネジメントが2022年に公表した「今後10~15年の世界株式と先進国債券の期待リターン」を示したものです。

 同社では、世界株式の期待リターンを年8.5%、先進国債券の期待リターンを3.0%と予測しています。

 再三お伝えしているとおり、目先の1~2年は経済成長率が低下する可能性がありますし、運用には厳しい状況が続くかもしれません。

 しかし中長期で投資をしていけば、この予測のような運用利回りを上げることは、十分に可能ではないかと思います。

(本稿は『インフレ・円安からお金を守る最強の投資』の一部を抜粋・編集したものです)

朝倉智也(あさくら・ともや)
SBIグローバルアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
1966年生まれ。1989年慶應義塾大学文学部卒。銀行、証券会社にて資産運用助言業務に従事した後、1995年米国イリノイ大学経営学修士号(MBA)取得。同年、ソフトバンク株式会社財務部にて資金調達・資金運用全般、子会社の設立、および上場準備を担当。1998年モーニングスター株式会社(現 SBIグローバルアセットマネジメント株式会社)設立に参画し、以来、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努める。SBIホールディングス株式会社 取締役副社長を兼務し、SBIグループ全体の資産運用事業を管掌する。主な著書に『全面改訂 投資信託選びでいちばん知りたいこと』『改訂新版 ETFはこの7本を買いなさい』『一生モノのファイナンス入門』(以上、ダイヤモンド社)、『「iDeCo」で自分年金をつくる』(祥伝社新書)、『お金の未来年表』(SB新書)などがある。