米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げで債券価格が急落していた昨年、米銀大手の一部はバランスシートに巨額の損失が積み上がらないよう、会計上の扱いを変更していた。具体的には、価格が大きく下がっている証券の大部分について、売却するのではなく償還期限まで保有するという項目に付け替えていた。これにより、当該証券はどれだけ市場で価格が下がっても、満期までいわば「塩漬け」状態となる。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、チャールズ・シュワブおよびPNCファイナンシャル・サービシズ・グループを含む米銀6行が昨年、合計で5000億ドル(約66兆3300億円)以上の債券について会計上の扱いを変更したことを特定した。これでバランスシートから含み損を排除することが可能になり、実際には保有資産の価値が実勢を大きく下回っているにもかかわらず、十分な資本を保有していると報告することができた銀行もある。