【香港】富豪の馬雲(ジャック・マー)氏は、自身が築き上げた中国の電子商取引最大手アリババグループの分割を海外から指揮していた。事情に詳しい関係者が明らかにした。
マー氏は2019年にアリババの執行役会長を退いた後も同社への影響力を持ち続け、戦略決定に積極的に関わっていると関係者は話す。ここ数カ月は電話で張勇(ダニエル・チャン)会長兼最高経営責任者(CEO)をはじめとする幹部に会社分割を促し、そうすることで競合ひしめく中国市場で機動力と競争力を高めることができると話していたという。
マー氏は27日、アリババ創業の地である杭州の学校を電撃訪問した。同氏の中国本土帰還が公になったのはほぼ1年ぶりだ。この翌日、アリババは会社を6事業に分割する計画を発表した。各事業がそれぞれCEOと取締役会を置き、個別に新規株式公開(IPO)を目指せるという内容だ。