「SHEIN(シーイン)」というファッションブランドをご存じだろうか。昨年、原宿に常設のショールームが誕生し、メディアでも連日話題となった中国発のブランドだ。1月末にはソフトバンクグループで副社長を務めたマルセロ・クラウレ氏が個人的に約1億ドル(約130億円)をシーインに投資するとともに、中南米部門の会長に就任することが報じられた。「謎のブランド」「謎の企業」ともいわれるSHEINとは、一体どのような企業なのか。中国経済に詳しいジャーナリストであり、ニュースメディア編集者の浦上早苗氏に話を聞いた。(清談社 鶉野珠子)
小ロットを素早く生産し
売れるものだけを追加発注
SHEINは中国発の越境ECを行う企業で、150以上の国と地域にサービスを提供し、急成長を続けている。取り扱うファッションアイテムはベイビー、キッズ、マタニティー、プラスサイズと、サイズ展開も豊富だ。さらに、インテリア雑貨、キッチン用品、バス用品、ペットグッズ、コスメ、アクセサリー、ウイッグなど、商品ジャンルも幅広い。
SHEINの大きな特徴の一つは、商品価格の安さだ。たとえば筆者が目にしたなかでは、Tシャツが1着786円、靴下やアクセサリーといった小物では100円を切る商品も珍しくなかった。
なぜこのような驚異的な安さが可能なのか。