米労働市場の実態は最新の雇用統計が示すよりも恐らく弱く、今後も悪化が続くと考える根拠がある。それでも、雇用を巡る状況が全般的に不振だとも言いにくく、政策当局者は難題に直面している。米労働省の労働統計局が7日発表した非農業部門就業者数(季節調整済み)は前月比23万6000人増と、市場予想の23万8000人増に一歩及ばず、それ以前の6カ月間の月平均である33万4000人増も下回った。掘り下げてみると、景気敏感セクターの一部の不振を示す兆しがある。小売業の就業者数は2月に4万1300人増加した後、3月は1万4600人減少。建設業は2月の1万2000人増から、3月は約9000人減となった。一方、新型コロナウイルス禍に起因する低迷から回復し続け、3月の就業者数が好調に伸びた業種もある。レジャー・接客業は7万2000人増、医療・社会福祉サービスは5万0800人増だった。