カンボジアのリゾートホテルを拠点にした特殊詐欺グループの日本人19人が現地の警察に拘束され、警視庁は詐欺容疑で逮捕状を取った。いずれも20~50代の男で、有料サイトの未払い料金があると偽り電子マネーをだまし取っていた容疑だ。警視庁は週内にも捜査員50人前後を派遣して身柄を日本に移送し、逮捕する方針。警視庁など全国の警察はフィリピンの「ルフィ」など特殊詐欺グループが国内の取り締まりから逃れるため海外に拠点を移していたとみて、現地の警察当局と協力して摘発を強化しているもようだ。(事件ジャーナリスト 戸田一法)
特殊詐欺グループの拠点は
カンボジア南部のリゾートホテル
19人の逮捕容疑は1月下旬、東京都内の60代女性から25万円相当の電子マネー「ビットキャッシュ」をだまし取ったとされる。全国紙社会部デスクによると、逮捕状の取得は今月6日付。外国人の容疑者は通常、送還をにらみ国際空港に近い入管施設に収容されるが、警備体制の整った首都プノンペンの施設にいる。聴取に対しては、いずれも黙秘しているという。
手口はNTTドコモからの通信を装って国内の携帯電話利用者に返信先を記載したショートメールを送り、電話してきた人に「有料サイトの未払い金がある」とうそをつき、ビットキャッシュを購入させていたとみられる。
拠点となっていたのは、カンボジア南部のタイランド湾に面した熱帯モンスーンの都市シアヌークビルにあるリゾートホテル。外観は白壁に黒い屋根の造りで、道路を挟んだ約7キロに及ぶ白い砂浜は旅行好きには知られる観光地だ。