「英語を話せるようになりたい」という人にぜひ読んでほしい1冊が『5分間英単語』だ。1トピック5分のトレーニングで、日本人の英語学習に不足しているボキャブラリーを拡大し、スピーキングやリスニングなど実践的な英語力アップに役立つ1冊だ。著者は、英字新聞The Japan Times Alpha編集長を10年以上務める高橋敏之氏。一般的な英単語集には記載されていない「ニュアンス」「実際の使われ方」を丁寧に解説した。本稿では『5分間英単語』から特別に一部を抜粋して紹介する。

「しくじった!」を英語でどう言う?Photo: Adobe Stock

blow:「吹き飛ばす」「しくじる」の意味でもよく使われる

(1)「(風が)吹く」
(2)「(物が)風に吹かれる」
(3)「~を吹く、息を吐く」
(4)「(鼻)をかむ」
(5)「(爆破・銃撃などで)~を破壊する」
(6)「~をしくじる」

 blowは何となく「風が吹く」「息をふぅと吐く」という時に使うという認識はあったと思うが、正確に用法を把握していない人も多いのではないだろうか。そこで、まずは「風が吹く」「息を吐く」に関連した(1)~(3)の用法をいくつかご紹介しよう。例文を読めば、意外と幅広く使われることに気付くはずだ。

 この他、「鼻をかむ」(blow one’s nose)や「(爆破などで)~を破壊する」という意味でも使われる。「破壊する」の意味では、blow up A(Aを爆破で破壊する)、blow off A(Aを吹き飛ばす)、blow A to bits/pieces(Aを粉々に破壊する)など、何らかの語句とセットで用いることが多い。

 最後に、blowは「~をしくじる、へまをして台無しにする」という意味もある。blow my audition(オーディションでしくじる)、blow it(〔何かを指して〕へまをする)のように使われる。

(1)「(風が)吹く」

The wind was blowing hard that night.
その夜は強い風が吹いていた

The wind blew the door shut.
風でドアが閉まった
◆ blow the door openなら「風でドアが開く」

(2)「風に吹かれる」

The door blew shut in the wind.
ドアが風で閉まった
◆ blowは「風が吹く」だけでなく、「主語が風に吹かれて何らかの動きをする」場合にも使われる

The leaves are blowing around.
〔風で〕落ち葉があちこち舞っている

My hat blew off in the wind.
風で帽子が飛ばされた

(3)「~を吹く、息を吐く」

The girl blew air into a balloon.
その女の子は風船を膨らませた

Beth blew on her fingers to warm them.
ベスは指を温めるために息を吹きかけた
◆ blow on ~で「~に息を吹きかける」

Ben blew the whistle on the illegal practices of the company.
ベンは会社の違法行為を告発した
◆ blow a/the whistleは文字通り「ホイッスルを吹く」という意味でも使うが、blow a/the whistle on ~の形で「(悪事など)を密告する、内部告発する」という意味を表す。審判が反則行為に対してホイッスルを吹くことから、こうした意味で使われる

(4)「(鼻)をかむ」

She took out a tissue and blew her nose.
彼女はティッシュを出して鼻をかんだ

(5)「(爆破・銃撃などで)~を破壊する」

The explosion blew his left arm off.
その爆発で彼の左腕が吹き飛んだ

(6)「~をしくじる」

I tried hard but I think I blew the math exam.
ベストを尽くしたが、その数学のテストはだめだったと思う

I had a job interview yesterday and totally blew it.
昨日仕事の面接があったが、完全にしくじってしまった

“Give him a chance.” “I did. He blew it.”
「彼にチャンスをあげてよ」「あげたさ。あいつがそれを生かせなかったんだ」

□ explosion(名)爆発

(本稿は『5分間英単語』から抜粋・編集したものです。)