「英語を話せるようになりたい」という人にぜひ読んでほしい1冊が『5分間英単語』だ。1トピック5分のトレーニングで、日本人の英語学習に不足しているボキャブラリーを拡大し、スピーキングやリスニングなど実践的な英語力アップに役立つ1冊だ。著者は、英字新聞The Japan Times Alpha編集長を10年以上務める高橋敏之氏。一般的な英単語集には記載されていない「ニュアンス」や「実際の使われ方」を丁寧に解説した。本稿では『5分間英単語』から特別に一部を抜粋して紹介する。
実はこんなことまでdoで伝えられる
引き続き、doの様々な用法について見ていこう。
do:
(1)「(様子・状況が)~である」
(2)「(髪型など)~を整える」
(3)「~の役を演じる、~の口調をまねる」
(4)「~を調理する」
(5)「~の速度で進む」
(6)「~と肉体関係を持つ」
■(1)「(様子・状況が)~である」
doing well(うまくいっている)のように、doは「どんな様子・状況か」を表現する際に使われる。相手の調子を尋ねる時にHow are you doing? という言い方をするが、このdoも「様子・状況」を表現していると考えることができる。
■(2)「(髪型など)~を整える」
また、do my hair(髪型を整える)のように「(髪型など)~を整える」という意味で使われる。髪型以外にも、do my face(化粧をする)、do my nails(ネイルをする)などのパターンも押さえておこう。
■(3)「~の役を演じる、~の口調をまねる」
それから、do Hamlet(ハムレットを演じる)のように「~の役を演じる」という意味もある。この「演じる」から転じて「~の口調をまねる、~のものまねをする」という意味で使うこともある。
■(4)「~を調理する」
他にも、「~を調理する」の意味でも用いる。ステーキの焼き具合を表現するwell-done(ウェルダン)という言葉をご存じだと思うが、これも「よく(well)調理された」ということだ。
■(5)「~の速度で進む」
この他、「(車などが)~の速度で進む」という意味でも使われる。
■(6)「~と肉体関係を持つ」
最後に、日本語でも「~とやる」と言うように、〈do+人〉で「人と肉体関係を持つ」という意味を表す。また、do it(それをする)も、性的な関係を持つことを遠回しに表現する際に使われる。いずれも、主に友人同士などで使われるようなカジュアルな表現だ。
(1)「(様子・状況が)~である」
The company is doing well.
「会社の業績は良い」
“How is my son doing in school?” “He is doing all right.”
「息子の学校での様子はどうですか」「問題ないですよ」
(2)「(髪型など)~を整える」
I haven’t done my hair yet.
「まだ髪型を整えていないの」
(関連記事:「白髪になり始めた」英語でどういう?)
Tania got her nails done at a nearby salon.
「ターニャは近所のサロンでネイルをしてもらった」
(3)「~の役を演じる、~の口調をまねる」
Who did Hamlet last year?
「去年ハムレットを演じたのは誰だっけ?」
He does a great Donald Trump.
「彼はドナルド・トランプのものまねが上手だ」
◆ 〈do+人〉だけでも「~のものまねをする」という意味だが、人の前にa greatを付けることで「ものまねがうまい」という意味を表せる
(4)「~を調理する」
I’m thinking of doing chicken tonight.
「今夜は鶏肉料理を作ろうと思っている」
How would you like it done?
「(焼き加減などは)どのようにいたしましょうか?」
(5)「~の速度で進む」
He was doing 140 kph when police pulled him over.
「彼は時速140キロで飛ばしていたところ、警察に止められた」
The speed limit is 60 mph, but you were doing much more than that.
「制限速度は時速60マイルだが、あなたはそれよりずっと速く走っていた」
(6)「~と肉体関係を持つ」
You know what Troy said? “Hi. I’m the man doing your daughter.”
「トロイの奴、何て言ったと思う?『どうも、私がおたくの娘さんと寝ている男です』だとよ」
□ pull over 車を止める、止めさせる」
(本稿は『5分間英単語』から抜粋・編集したものです。)