歳出削減や増税ではなく
「筋の悪い財源」に頼ろうとしている
防衛費増額ための財源を調達する「財源確保法案」の審議が国会で始まった
その内容は特別会計の剰余金や国有地売却収入をもとに「防衛力強化資金」を設けるというものだが、全く正当化できないものだ。
赤字国債の増発によって防衛費の増額を賄うのと実質的には同じことで、それを分かりにくくしているだけのことだ。
きわめて「筋の悪い財源」だが、財政制度は複雑なので、問題の本質が十分に理解されているようには思えない。むしろ政府は複雑な制度を“活用”して、スキームを曖昧にし国民を欺こうとしているように見える。
増税への反発から急浮上
「防衛力強化資金」と決算剰余金活用
これまでの経緯を振り返ると、政府の思惑が浮き彫りだ。
昨年11月に公表された有識者会議の報告書では、防衛関係費増額の財源は、国債によらず、歳出改革と増税によって賄うこととされた。