防衛費増額の財源確保で
60年国債償還ルール見直しの議論
昨年末の予算編成で増税が先送りとなった防衛費増額の財源を巡る自民党の特命委員会が開かれている。
その中では、国債の「60年償還ルール」を見直すべきだという案も議論されているという。
見直しの議論に対して財政学者などの一部からは、償還ルールの見直しは財政規律が緩む懸念があるとの批判も出ている。
だが、すでに日本では財政法4条によって米国やドイツと同じくらいの財政規律確保の枠組みが設けられている。
そもそも、償還ルールに基づき、政府債務を「完全に返済する」という考え方をとっているのは、主要国では日本だけだ。
それどころか予算編成でも、日本は国際標準より過大に財政赤字が計上されている。
償還ルール見直しの議論の是非は、こういった日本の財政運営の特異性も含めて考える必要がある。