防衛増税「先送り」の見切り発車で高まる、なし崩しの国債増発リスクPhoto:Anadolu Agency/gettyimages

防衛費増強、見切り発車
増税は「24年度以降」に先送り

 2023年~27年度の防衛費総額を43兆円に増やすことが閣議決定されたが、「規模と中身と財源を一体で決める」という岸田文雄首相の当初の方針にもかかわらず、実際には規模を先に決めた上で財源の議論に終始した。

 とりわけ政府が財源の一部に増税を充てる考えを示し、短時間での決着を目指したことが、与党内の反発を招き、昨年末にまとめられた与党税制改正大綱では、増税は「24年度以降の適切な時期に実施」とし、来年度に改めて具体策を議論するという問題先送りの着地になった。

 防衛増税のほかにも財源確保の手段として挙げられた歳出削減や決算剰余金の活用も具体的なことは決まっていない一方、艦艇などの防衛装備品の調達でタブーとされてきた建設国債が充てられることにもなった。

 財源確保のめどが立たないまま、防衛力増強が23年度から見切り発車で始まる。