米金融大手ゴールドマン・サックス・グループがそもそも消費者金融への参入になぜそれほどこだわったのかを、18日発表された1-3月期(第1四半期)決算は浮き彫りにしている。だがこの分野を縮小しないことには、ゴールドマンは先に進むことができない。決算内容は悪くなかった。前年同期比で減収となったのは主として、債券トレーディングやディールメーキング、資本調達で好業績を上げた昨年との比較によるものだからだ。グローバル・バンキング&マーケッツ部門の1-3月期の株主資本利益率(ROE)は年率16.6%と好調を維持し、全社のROEである11.6%を大きく上回っている。だが、ゴールドマンが手にできず、JPモルガン・チェースなど競合するリテール銀行が確実に手にしたのは、消費者の借り入れが正常化したことに伴う純金利収入の急増と融資の伸びという相当な追い風だった。