誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。Voicy精神科医Tomyきょうのひとことの“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】心に余裕がなくなったとき…“幸せの神様”を自分に引き寄せる方法Photo: Adobe Stock

“心の余裕”がなくなっていませんか?

世の中が美しいと感じられると素敵ですよね。世の中のいろんなことを美しいと感じるためには、“心の余裕”が必要です。

ストレスが積み重なったり体が疲れたりして、いっぱいいっぱいだったりすると心に余裕がなくなり、物事をポジティブにとらえる器(うつわ)がなくなってしまいます。

美しいと心が揺さぶられて感動するということは、意外とエネルギーを要するものなんです。だから心身が疲れてると、その余裕が出てこないわけです。

日常で心を揺さぶられる経験

世の中には美しいことばかりではなく、辛く苦しい場面もあります。辛く苦しいことを経験するからこそ、美しさの感動もより大きくなるという一面もあるでしょう。

しかし、いつも辛く苦しくて、世の中がちっとも美しいと思えなければ、いったいなんのために生きているのか、わからなくなってしまいます。

そうならないためには、昼休みに食べたランチのお料理が美味しいなとか、外を歩いてふと目にした草花がきれいだなとか、買いものしているときに店内でBGMを耳にして「この音楽いいな~」とか、ちょっとしたことでポジティブに心を揺さぶられる経験こそ大事なんです。

朝の時間に余裕をつくる

ふと振り返ってみて、「最近、そういうことが減ってきたな」と思うようであれば、アナタはちょっとお疲れ気味なのかもしれません。

アテクシ自身もお疲れ気味で、ちょっとしたことに感動できていなかったことに気づいたんです。そのことに気づいてから、まずは朝の時間に余裕をもたせるようにしました。毎朝、出勤前に喫茶店に寄ってモーニングセットを食べるようにしたんです。

日常風景に感動する

その喫茶店は、天井からペンダントライトがぶら下がっていて、ちょっとレトロな雰囲気。トーストと卵を食べて、コーヒーを飲みながら、席から見える窓の外の景色をぼんやり眺めるんです。

たいした景色ではありません。車道に面したお店なので、車が走っているのが見えるくらいなのですが、そのなにげない日常の風景に「ああ、いいな~」と、じわじわと感慨深い気持ちになったんです。

みんなが慌ただしく動き出す朝、「さあ、今日も始まるよ~」みたいな雰囲気を窓の外に感じながら、それとは逆の落ち着いたレトロな雰囲気の喫茶店でコーヒーをすすり、しみじみと感じる。「ああ、世の中は美しいな」と素直に感じられたんです。

日常に変化をつけてみる

そして、「あっ、心に余裕ができてきた」と自分自身の変化に気づいたんです。自分本来のペースに戻すことができたんだ、と。余裕がありすぎても、頭がお暇な状態になって、ネガティブなことを考えがちにもなりますから、自分にとって適度な忙しさ、適度な心の余裕が大事です。

自分にとっての適度なポイントを見つけるには、「このところ、ちょっと忙しくて心に余裕がなくなってきたかも」と感じたら、朝、喫茶店に立ち寄ってから出勤するなど、これまでとは違うルーティンを日常にとり入れてみるのもオススメです。

そこで、ふとなにげない幸せ、世の中の美しさを感じられたら、それはアナタにとって適度な余裕を得られた証拠。“幸せの神様”が舞い降りた瞬間かもしれません。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。