親子関係の問題は、家庭という閉鎖的な空間で生じるものだからこそ、解決が難しいといえます。
外部の目には一見、理想的な家族に見えていても、実はその中にいる当事者にとっては地獄に等しい親子関係であるケースも多々あります。そして自身の異常な親子関係の体験を訴える当事者に、外部の人は信じてくれないどころか「そんなことを言う、あなたのほうがおかしい」と、さらに傷を深くえぐるような言葉を投げかけてくることさえあり、当事者は自分の苦しみが理解されることはない、とあきらめ、口を閉ざすしかないという現状があります。
自分にとって「害になる親」、つまり毒親からは逃げるしかない、とは言われますが、実際に毒親との絶縁は簡単なことではありません。絶縁してもなお追いかけてくる毒親、周囲からの残酷な言葉……ここでは実際に毒親と絶縁した経験を持つ著者が自身の体験を綴った『幸せになるには親を捨てるしかなかった』から、再構成して紹介します。
本書では絶縁までの道筋だけでなく、これまであまり語られることのなかった親との絶縁後に起こった実体験も生々しく語られています。
毒になる人々の特徴
毒家族についてもっとよく知るために、何をもって「毒」と呼ぶのか、まずはその特徴について知っていきましょう。
あなたの毒家族の特性を特定することで、あなたが相手にしているのがどういう性質のものなのか、より具体的にわかるでしょう。これらの特性を見れば、彼らが実際に「毒」と診断されるような人間であり、彼らが言うような、あなたの空想や被害妄想などではないということがわかります。
彼らは次の特性のうちの複数に当てはまる可能性が高いでしょう。
■自分が一番注目されていないと気が済まない。
■感情が急激に変化する。
■大げさに芝居がかった言動をする。
■身体的な見た目を過剰に気にする。
■常に励まされ、承認されたがる。
■批判や否定に過敏。
■すぐにイライラする。
■向こう見ずな判断をする。
■人間関係を維持できない、人間関係が浅いか、まがい物。
■注目を得るために自殺をほのめかす、またはくわだてる。
■実績や才能を誇張する。
■自分のほうが優れていると思い込んでいる。
■会話を独占する。
■えこひいきや絶対的な追従を期待する。
■他人を利用する。
■嫉妬深く、他人を貶める。
■傲慢または横柄な態度。
■特別扱いを要求する。
■感情と態度を制御できない。
■ストレスにうまく対処できないか、変化に順応できない、またはその両方。
■皮肉屋で辛辣。
■消極的で無力な人間を装い、大人としての責任を逃れる。
■捨てられることを極度に恐れる。
■悲観的またはネガティブな人生観。
■1人でいることを嫌う。
■善悪を軽視する。
■何度も嘘をついたり騙したりして他人を利用する。
■他人に対して冷淡かつ冷笑的で、他人をないがしろにする。
■自分の利や快楽のために、人をたぶらかしたり策を弄したりして他人を操る。
■極端に独善的。
■犯罪行為など、警察沙汰を繰り返し起こす。
■脅迫や詐欺などで他人の権利を繰り返し侵す。
■他人への共感性に欠け、他人を傷つけることに罪悪感を覚えない。
■自分の言動が悪い結果に繋がることを予測したり、その経験から学ぶことができない。
このリストを見て、絶縁を決めた自分の判断に自信を持つか、これから絶縁する勇気を持ってもらえたなら嬉しいです。
このリストを見て、あなたが経験してきたことが本物の虐待と支配だと確信できたでしょう。