「朝食を食べない子」と糖尿病リスクの関係、足立区の中学2年生1500人調査の結果は写真はイメージです Photo:PIXTA

 朝食を食べない成人は2型糖尿病のリスクが高いことが報告されているが、同じことが子どもにも当てはまるかもしれない。その可能性を示唆するデータが報告された。東京都足立区内の中学校の生徒を対象とした研究で、朝食欠食の習慣がある子どもは、交絡因子を調整後も糖尿病前症に該当する割合が有意に高かったという。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科国際健康推進医学分野の藤原武男氏らの研究によるもので、詳細は「Frontiers in Endocrinology」に2月22日掲載された。

 2型糖尿病は、あるとき突然発症する病気ではなく、血糖値が糖尿病の診断基準に至るほどではないものの基準値より高い状態、「糖尿病前症」(国内では糖尿病予備群とも呼ばれる)という段階を経てから発症する。つまり、糖尿病前症に該当する場合は、その後、2型糖尿病を発症するリスクが高い。一方、2型糖尿病の発症リスク因子としては、家族歴や食習慣の乱れ、運動不足、肥満などが知られている。これらのうち、食習慣の乱れの一つとして朝食の欠食が挙げられ、朝食欠食により遊離脂肪酸レベルの上昇に伴うインスリン抵抗性の亢進、消費エネルギー量の低下、概日リズムの乱れなどを介して糖代謝に悪影響が及ぶと考えられている。