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男性のビール腹は心不全リスクの可能性
男性によく見られ、“ビール腹”と呼ばれることもある腹部肥満が、心不全のリスクと関連しているとする研究結果が、北米放射線学会年次総会(RSNA 2025、11月30日~12月4日、シカゴ)で報告された。ハンブルク・エッペンドルフ大学医療センター(ドイツ)のJennifer Erley氏らが発表した。
この研究から、腹部肥満は心筋の肥厚と心室の縮小に関連していることが示された。研究者らによると、これらの変化は心不全リスクにつながるものと考えられるという。
Erley氏は、「腹部肥満、つまりウエスト・ヒップ比(W/H比)が高い状態は、単にBMIが高い場合よりも、心臓リモデリングとの関連が強いようだ。心筋が厚くなるのに心臓の全体的な大きさは増えず、心臓の容積が小さくなる」と解説。
そして、「心臓の心室が狭くなるため、心臓が送り出す血液の量は減少する。また、血液を送り出した後に心臓が弛緩し拡張する能力も低下する。それらの変化により、最終的には心不全につながる可能性がある」とのことだ。
Erley氏らの研究では、心臓病の既往歴のない46~78歳の成人2244人(女性43%)の心血管MRI画像が解析され、BMIおよびW/H比との関連が検討された。
研究参加者のうち、BMIに基づいて、男性の69%、女性の56%が過体重または肥満に分類された。また、世界保健機関(WHO)の基準に基づき、男性の91%、女性の64%が腹部肥満に分類された。なお、WHOの基準では、W/H比が男性は0.90以上、女性は0.85以上を腹部肥満と判定する。







