14万人追跡で判明した「痩せ薬」のまさかの効果…発症リスクが下がった「重大な病」とは?写真はイメージです Photo:JIJI

GLP-1受容体作動薬は
大腸がんリスクを低下させる?

 オゼンピックやウゴービなどのGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)受容体作動薬は、減量や糖尿病の管理だけでなく、大腸がんの予防にも役立つ可能性のあることが、新たな研究で示唆された。

 GLP-1受容体作動薬の使用者では、アスピリン使用者と比べて大腸がんを発症するリスクが26%低かったという。米テキサス大学サンアントニオ校血液腫瘍内科のColton Jones氏らによるこの研究結果は、米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム(ASCO GI 2026、1月8〜10日、米サンフランシスコ)で発表された。

 Jones氏は、「これまでアスピリンの大腸がん予防効果について研究されてきたが、効果は限定的であり、また、出血リスクが使用の妨げになる。糖尿病や肥満の治療で広く使われているGLP-1受容体作動薬は、代謝管理とがん予防の両面で、より安全な選択肢になる可能性がある」と述べている。

 米国では、2025年には約15万人が大腸がんと診断され、5万人以上が死亡したと推定されている。

 GLP-1受容体作動薬は、インスリンや血糖値の調節を助け、食欲を抑え、消化を遅らせるホルモンであるGLP-1の作用を模倣する薬剤である。代表的な薬剤には、オゼンピックやウゴービなどのセマグルチド、マンジャロやゼップバウンドなどのチルゼパチドがある。

 今回の研究では、商業医療データベースTriNetXから、GLP-1受容体作動薬の使用者と、アスピリン使用者を傾向スコアマッチング後に14万828人ずつ(計28万1656人、平均年齢58歳、女性69%)抽出し、大腸がんの発症を比較した。