住宅写真はイメージです Photo:PIXTA

コロナ禍の収束を待たずに、今度は資源・資材の高騰や円安急進が企業を揺さぶっている。上場70社超、23業界の月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2023年3月度の住宅メーカー編だ。

大和ハウスと積水ハウス
「真の勝ち組」は?

 住宅メーカーの主要2社が発表した2023年3月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯大和ハウス(大和ハウス工業)の受注金額(合計)
 3月度:前年同月比160%(60%増)

◯積水ハウスの受注金額(全体)
 3月度:同103%(3%増)

 今回取り上げる2社共に、3月度の数値が前年実績を超えている。また、月次業績で扱っている「受注金額」とは中身が異なるが、最新決算の「売上高」において2社とも過去最高の実績を上げている。

 本稿執筆時点で、大和ハウスは23年3月期第3四半期(4~12月)までの決算を発表しており、売上高は3兆4216億円で過去最高を更新。一方、積水ハウスは23年1月期の通期決算を発表しており、売上高は2兆9288億円と同じく過去最高を更新した。

 ただ、各社の月次業績を時系列で分析すると、また別の実態も見えてくる。

 実は、新型コロナウイルス感染拡大前と比べると、増収している企業と減収してしまっている企業に分かれるのだ。勝ち組企業はどちらか、予想はつくだろうか。次ページで答えを解説しよう。