
ゲームをしているだけでお金が入り、契約や支払いもすべて自動で完了する。そんな、極限まで効率を高めた働き方が、ブロックチェーンによって可能になろうとしている。実際、ゲームだけで月に数万円を稼ぐ人たちがフィリピンにいる。ブロックチェーンが人類にもたらす、大きな可能性とは?※本稿は、小田玄紀『デジタル資産とWeb3』(アスコム)の一部を抜粋・編集したものです。
ブロックチェーンを使った
サービスが世界を変えていく
デジタル資産の普及と並行して、ブロックチェーン技術を応用した様々なサービスやプロジェクトが登場しています。これらが「Web3」(編集部注/ブロックチェーンなどの技術によって実現される次世代の分散型インターネットのこと。従来のWeb2.0においては巨大プラットフォーマーがデータを独占していたが、今後はブロックチェーン上に分散保存され、ユーザー個々人が自分のデータを管理できるようになる)と呼ばれるものです。
Web3はいま生まれつつある新しい産業のトレンドであり、それらが切り開く未知の世界です。
そのため現段階では、具体的なイメージや定義は様々ですが、共通して挙げられるのは次の4点だと私は考えています。
(1)ブロックチェーン技術をベースにしていること
(2)経済的なモチベーション(報酬)を組み込んでいること
(3)様々な対象の分散化を目指していること
(4)スマートコントラクトによる自動執行が可能なこと
(1)と(2)はデジタル資産と共通する基本的な要素です。広義または最広義のブロックチェーンには様々なバリエーションがありますが、ブロックチェーンを安定的に運用していく上で(2)は欠かせない条件です。
一方、(3)と(4)は、具体的なサービスやプロジェクトによって捉え方や使い方が異なります。
Web3を理解する上で特に重要なのが(3)の「分散化」です。例えばビットコインなどの暗号資産では、取引データの記録(台帳)を所有したりする権限が参加者(ノード)に分散化されています。
Web3ではこうした権限に限らず、様々な対象が分散化されていくのです。