おすすめポイント
SNSで人気のカウンセラーが、日々「しんどい」と感じている人に向けた、「がんばらずに読める本」だ。まず、表紙に描かれたキャラクターのリラックスした表情に癒され、使われる紙の心地よいざらざら感が手に伝わる。ページをめくると、ライトな文章が読みやすいだけでなく、合間に描かれるゆるーいイラストが心を少し落ち着けてくれる。
つらい、しんどいと感じている時は、救いになる言葉を求めていても、文字を追う元気すらないこともあるだろう。そんな時にも、なんとなくパラパラと眺めてみるだけで、心に留まるひとことが目に入ってくるはずだ。
「しんどい」という感情を持つ状態は、「サボっているわけでも、怠けているわけでも、やる気がないわけでも、甘えているわけでも、逃げているわけでもありません」と著者は断言する。むしろ、十分がんばってきたことの証なのだ。とはいえ、「しんどい」と感じないようになることを目指すのではなく、しんどい状態を受け入れ、ゆっくり休むことを促す。言葉にすると当たり前に思われるが、どのタイミングでどのように休むのかわからず、余計に悩んでしまうことも少なくないだろう。本書はそんな疲れた読者に自然と寄り添い、深呼吸の機会を与えてくれる本だ。
しんどさを少しでも軽減したい、がんばりたいけどなかなかがんばれなくて落ち込む、という読者には、ぜひかたわらに置いてほしい一冊である。(菅谷真帆子)