韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領 Photo:Anadolu Agency/gettyimages

韓国内で大きな反響を呼んでいる
尹錫悦大統領のインタビュー発言

 米韓首脳会談を前に、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が、4月24日に掲載されたワシントンポストとのインタビューで対日外交について、「100年前のことについて(日本に)『無条件でダメだ』『無条件でひざまずけ』ということは受け入れられない」と述べたことが、韓国国内で大きな反響を呼んでいる。

 尹錫悦大統領の訪米を控えて、「共に民主党(以下、民主党)」の李在明(イ・ジェミョン)代表は尹外交について、党の最高委員会議で「友人でなければ敵という二分法で外交戦に臨んではならず、国益を優先しなければならない」「ひどい失敗に終わった日本への一方的譲歩外交を反面教師にするべきだ」と発言した。

 李在明氏の言う国益は韓国の左派系人士にとっての国益であり、尹錫悦大統領の目指す国益ではない。韓国の保革の外交対立が反映された発言ではある。

 尹錫悦大統領はこれまで、北朝鮮の核・ミサイルに断固たる姿勢で臨むために中ロへの屈従をやめ、米国との同盟関係を堅固なものにする姿勢を明確にしてきた。それに加え、日本に譲歩しすぎとの国内の批判があるにもかかわらず、冒頭のような発言を行った。これは民主党の立場からすれば、まさに李在明代表の批判通りの外交姿勢を象徴するものといえる。しかし、尹錫悦大統領は敢えてその道に踏み出したということである。