5日、韓国・ソウルで、福島県への視察について記者会見する韓国野党「共に民主党」の国会議員団共に民主党の国会議員は福島を訪問し、福島第一原発周辺の汚染を既成事実化しようとしている(5日、韓国・ソウルで、福島県への視察について記者会見する共に民主党の国会議員団) Photo:JIJI

福島第一原発周辺の汚染を
既成事実化しようとする民主党

 文在寅(ムン・ジェイン)政権が北朝鮮に対する融和的政策を取り続け、北朝鮮の核を抑制しようと有効な対抗策を取らない間に、北朝鮮は核・ミサイル技術を高度化させてきた。文在寅政権時代の無策によって、対話での非核化は無理な段階に達したとみるべきであろう。

 それでも文在寅政権は、北朝鮮の核武力は韓国を標的にしたものではないとして、強硬な対応措置は取らなかった。そればかりか、北朝鮮には非核化の意思があると言い続け、米国のトランプ大統領を北朝鮮との対話に引き出し、国際社会には北朝鮮に対する制裁緩和を求め続けた。

 その結果、北朝鮮の核兵器とその運搬手段であるミサイルの技術水準は一段と高まった。平昌(ピョンチャン)オリンピックの際、一時南北の緊張が和らいだかにみえたが、その後米朝と南北の対話が途絶え、北朝鮮の挑発に対し、米韓が合同軍事演習を再開するなど安全保障能力を高める動きを示すと、北朝鮮は核武力で対抗する構えを見せ、昨年9月8日、国会に当たる最高人民会議で「共和国核武装政策」を採択、金正恩総書記が決定すれば核による先制攻撃を可能とする法制化を行った。

 北朝鮮が核を使用すれば、韓国が壊滅的な打撃を受けることは避けられない。しかし、文在寅政権と「共に民主党(以下、民主党)」は、北朝鮮の核開発を事実上黙認してきた。

 それに引き換え、福島第一原発の処理水放出に対しては、科学的な根拠に基づく対応をしようとしている日本政府や国際原子力機関(IAEA)の努力を無視し、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対しても、日本政府の意向に沿って韓国国内を説得しようとしていると批判している。