エクセルPhoto:123RF

Excelの最新版であるExcel2021には、「スピル」という新機能が搭載されている。現時点では旧バージョンを使っている読者が多いかもしれないが、いずれ新バージョンに切り替えたときに役立つはずなので、基礎知識を押さえておいて損はないだろう。スピルは「1つのセルに計算式を作成すると、周囲のセルにも計算結果が自動入力される」という仕組みだが、具体的にどのような点が優れているのか。使用する際の注意点と併せて、Excel講師の筆者が基礎から解説する。(Excelインストラクター 佐藤嘉浩)

計算式入力を効率化する
新機能「スピル」とは?

 Excelをはじめとする表計算ソフトでは、特定のセルに数式を入力すると、「そのセルだけに」計算結果を表示するのが一般的である。

 同じ計算式を使い回したい場合は、そのセルをコピーして、別のセルにペーストするのがおなじみのやり方だ。

 だが、この方法は、他のセルに張り付ける際に、計算式で参照するセルがズレるといった「うっかりミス」を招く危険性があった。

 Excel(買い切りタイプ)の最新版であるExcel2021には、こうした手間やミスを防ぐ新機能「スピル」が導入されている。1つのセルに計算式を作成すると、周囲のセルにも計算結果が自動入力される(=スピルする)という仕組みだ。

 Microsoft365やExcel Onlineに先行して導入されていたので、すでにご存じの方もいるかもしれない。

 筆者はこのスピルを「Excel史上最大の画期的なアップデート」だと考えている。注意点と併せて、どんな風に便利なのかを紹介していきたい。