マイクロソフトのような資金の潤沢な敵を相手に好プレーをするのは簡単ではない。しかし、ソニーはビデオゲーム会社買収を巡る争いの第1戦で予想外の勝利を収めた。その後押しをしたのは英国政府だ。
英反トラスト法(独占禁止法)当局の競争・市場庁(CMA)は26日、マイクロソフトが米ゲーム制作大手アクティビジョン・ブリザードを750億ドル(約10兆0416億円)で買収する計画を認めない判断を下した。これにより、買収の行方に大きな疑問が生じている。CMAは判断の理由について、草創期にあるクラウドゲーム業界の競争を阻害しかねないためだと説明した。両社はこの判決を不服として異議を申し立てる構えだが、もはや買収実現の見込みは低そうだ。
今回の措置に投資家は意表を突かれた。CMAは3月、マイクロソフトによるアクティビジョンの買収が従来型ゲーム機市場の競争を損なうことにはならないとの見解を示していたためだ。従来型ゲーム機市場はクラウドゲーム市場よりはるかに大きい。