ロシアは、原子力業界で世界的な規模に成長した国営企業を通じて各地で影響力を拡大している。最新の例がトルコだ。同国では27日、ロシア所有の原発で初めて燃料を搬入する式典が行われた。西側諸国の間で懸念を引き起こしている両国関係の深化を象徴するイベントだった。ロシアの国営原子力企業ロスアトムは近年、世界的に事業を拡大してきた。中国やエジプト、ハンガリーなど11カ国で34基の原子炉建設に関わるなど、国外の原発建設と運営で世界をリードしている。ロシアの原子炉輸出はここ数十年、他の主要供給国を上回っている。ロシアのウクライナ侵攻にもかかわらず、ロスアトムの事業は昨年急拡大した。同社によると、昨年の国外売上高は100億ドル(約1兆3400億円)を超え、前年比で約15%増加した。国外受注残高は約1400億ドルに上るという。ハンガリーなどロスアトムに依存している欧州連合(EU)の一部加盟国の反対により、同社は西側諸国が導入した大規模な対ロシア制裁の影響をほとんど受けていない。
ロシア原発ビジネス、世界で影響力拡大
原子力大手ロスアトム、米国の同盟国トルコでも原発建設
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