新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行したことで、コロナ禍によって大打撃を受けた業界・企業の業績の完全復活に対する期待が高まってきた。上場70社超、23業界を上回る月次の業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移から、6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする。今回は、2023年3月度のビール編だ。
現在復旧中になりますので、改めてご覧いただけますと幸いです。(2023年5月19日 17:39 ダイヤモンド編集部)
キリンが減収、アサヒが増収!
両社を悩ませる「共通点」は?
ビールの主要3社が発表した1〜3月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯キリンビール(キリンホールディングス〈HD〉)のビール類計販売数量
3月度:前年同月比99%(1%減)
◯アサヒビール(アサヒグループホールディングス〈HD〉)のビール類計販売金額
3月度:同105%(5%増)
◯サッポロビール(サッポロホールディングス〈HD〉)のビール類計販売数量
3月度:同105%(5%増)
*アサヒの月次業績データは数量ベースではなく「金額ベース」
3月度の実績において唯一前年割れを記録したキリンに対し、アサヒとサッポロは前年同月を上回った。
「前年割れ」と「前年超え」で対照的に見えるキリンとアサヒだが、意外な共通点がある。月次データを時系列に分析すると両社を悩ませる「ある傾向」が見えてくる。