マツモトキヨシPhoto:Diamond

新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行したことで、コロナ禍によって大打撃を受けた業界・企業の業績の完全復活に対する期待が高まってきた。上場70社超、23業界における月次の業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移から、6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする。今回は、2023年4月度のドラッグストア編だ。

ツルハ、ウエルシア…ドラッグストア5社に格差
唯一の負け組は?

ドラッグストアの主要5社が発表した4月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯ツルハ(ツルハホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
 4月度:同102.6%(2.6%増)

◯ウエルシア(ウエルシアホールディングス〈HD〉)の国内ドラッグストア売上高
 4月度:同103.7%(3.7%増)

◯コスモス薬品の既存店売上高
 4月度:同105.0%(5.0%増)

◯マツキヨココカラ&カンパニーの既存店売上高
 4月度:同106.6%(6.6%増)

◯サンドラッグのドラッグストア事業_既存店売上高
 4月度:同102.3%(2.3%増)

 大幅に増収している企業はないものの、今回取り上げる5社全てが4月度において前年実績を上回っている。

 実は、今回取り上げるドラッグストア5社を分析すると、「負け組」1社が浮き彫りとなった。相次ぐ値上げラッシュすら味方につけて、一見すると好調な業界という印象すらあるドラッグストアだが、内部で業績格差が生じているのだ。

 いったいどの会社か、予想はつくだろうか。次ページで詳しく解説しよう。