結婚せず、独身を謳歌する人が今増えています。おひとり様用の商品・サービス市場も拡大していますが、お金や健康さえあれば不安がない…というわけではないようです。ずっとおひとり様ライフを楽しんでいる人には、退職後の暮らし方・生き方に共通点がありました。(生活経済ジャーナリスト 柏木理佳)
独身が増加しているのはなぜか?
日本における婚姻数が減っています。また、生涯独身者は男性で3割、女性で2割に増加(2020年)しました。
結婚しない、独身を貫く理由については、一言で片付けられるものではありません。経済的要因や環境的要因など人それぞれでしょう。
一方で、こんなアンケート結果もあります。婚活イベントなどを手がける企業が、全国の未婚男女1000人を対象に結婚についてのアンケート(2021年)を行ったところ、「結婚したくない」と思っている人が30代で47%、40代では49%を占めました。「自由がなくなる」「他人との同居に煩わしさを感じる」「お金がかかる」などが理由にあげられています。
確かに、おひとり様は育児、介護、家族間での人間関係などの煩わしさやストレスを軽減できます。その分、自分の時間を楽しむことができます。
筆者の周りにいるおひとり様女性は、着物の着付け、お茶の習い事などに忙しくしていますし、退職後のおひとり様男性は、庭付きの家に引っ越して家庭菜園を始めたり、田んぼを買って農業も始めました。頻繁に旅行に出かけて人生を謳歌している人もいます。
こんな楽しそうな姿を目の当たりにすると、おひとり様ライフを楽しんだほうがいいと思う人が増えるのも当然のことかもしれません。
また、全国での単身世帯数も2021年6月時点で、過去最高1500万世帯という全世帯の3割に増えています。
このように「ソロ社会」が増加していることで、独身者向けのサービス・商品も普及しています。しかし、おひとり様の生活を充実させている人は、お金・健康だけでは解決しない「あるポイント」を心得ていました。