欧州でさえ環境保護政策の正しさに疑問を抱き始めるという奇妙な時代が、今到来している。エマニュエル・マクロン仏大統領の先週のスピーチを聞いてみるがいい。彼は、欧州の環境規制はすでに十分であり、これ以上の規制は必要ないとの考えを示唆した。何という展開だろうか。マクロン氏は、欧州の環境問題に関する「規制の休止(regulatory break)」を呼び掛けた。同氏は「米国、中国、その他の世界の有力国よりも、われわれは規制面で先行している」と指摘。「環境の規則集に何百ページも付け加えるのではなく、われわれは今、(既存の規則を)実行に移す必要がある」と語った。これが、産業の空洞化を逆転させ仏製造業界を復活させる方法について、部屋を埋め尽くした企業幹部らを前にして彼が語った内容であることは、注目に値する。
【社説】環境保護政策に待ったをかけた仏大統領
欧州でさえも規制コストにうんざり
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