「ゼロコロナ」政策の解除後に力強い回復を遂げてきた中国経済の息切れが鮮明だ。若者の失業率は過去最悪の水準まで上昇するなど、世界経済のけん引役として期待されていた中国景気の持ち直しが変調をきたしている。中国国家統計局が16日発表した4月の一連の経済指標は総じて予想に届かなかった。これには小売売上高、鉱工業生産、固定資産投資などが含まれる。不動産セクター向けの投資も、今年に入って4カ月連続のマイナスだ。中でも最も衝撃的だったのが16~24歳の若者の失業率だ。昨年末の16.7%から一貫して上昇基調をたどっており、先月には過去最悪となる20.4%を記録した。これらの指標を総合すると、世界第二位の規模を誇る中国経済が勢いを失いつつあると言えそうだ。銀行危機やインフレ高止まり、ウクライナ侵攻の余波といった逆風にさらされている世界経済にとっては、さらに不透明感が強まる。さらに言えば、中国がかつてのように世界経済の成長を押し上げるとはもはや期待できないことも浮き彫りにする。
中国の回復早くも変調、世界経済の先行きに暗雲
4月の経済指標は下振れ相次ぐ、若者の失業率は過去最悪に
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