山梨中央銀行の熱血支店長が「駅弁屋・専務」に転身、バンカー人生最後の夢駅弁事業を手がける食品メーカー丸政(山梨県北杜市)。業績が低迷していた同社の窮地を救ったのが、山梨中央銀行小淵沢支店の二人の支店長だった(写真はイメージです) Photo:PIXTA

山梨県北杜市の老舗駅弁業者、丸政。競争激化で業績が低迷していた2010年以降、創業家出身の名取政義社長をサポートしたのが、山梨中央銀行小淵沢支店の二人の支店長だった。前編では、改革の中身を振り返ったが、後編となる本稿では、二人のバンカーにフォーカスする。(共同通信編集委員 橋本卓典)

山梨中央銀行の元支店長が
駅弁屋再建にかけた理由とは

 駅弁事業を手がける食品メーカー丸政(山梨県北杜市)。業績が低迷していた同社の窮地を救ったのが、山梨中央銀行小淵沢支店の二人の支店長だった。

(参照:前編「山梨中央銀行の支店長による駅弁業者の再建に見た、銀行員「第二の人生」の光明」

 企業支援に情熱を注いだ二人のバンカーは、どのような思いを抱いて銀行員人生を歩んできたのか。銀行員と言えば、安定と高年収が約束された人気職種だったが、それも今や昔。ここ数年、バンカーとしての日々の仕事に自己実現や成長機会を感じられず、若手を中心に離職者が増えている。

 そこで、どうしたら充実したキャリアを積み上げられるのか、丸政の復活を陰ながら支えた一人のバンカーの半生にフォーカスし、そのヒントを探る。