静岡銀と名古屋銀の電撃提携の舞台裏、従来の合従連衡と違い「画期的」といえる理由Photo by Mieko Arai

4月27日、静岡銀行と名古屋銀行が包括業務提携を結ぶと発表した。地方銀行業界では合従連衡の動きが活発化しているが、実はこの「静岡・名古屋アライアンス」は、従来の地銀の提携とは意味合いがだいぶ違う。両行が狙った最大の“果実”とは何か。静岡銀、名古屋銀の提携の舞台裏について明かす。(ダイヤモンド編集部 新井美江子)

両頭取の友情と打算の“賜物”
静岡銀と名古屋銀が電撃提携を発表

 4月27日、静岡銀行と名古屋銀行(愛知県)が包括業務提携を結ぶと発表した。

 静岡銀は2020年10月に、山梨中央銀行とも包括業務提携を締結。名古屋銀の周辺でも、21年12月に愛知銀行と中京銀行(愛知県)が経営統合について合意するなど、地方銀行業界では合従連衡の動きが活発化している。

 しかし今回の「静岡・名古屋アライアンス」は、これまで地銀各行が行ってきた、地域創生や経営の効率化などを主目的とする“銀行都合”の提携とはだいぶ意味合いが異なる。

「柴田さん(柴田久・静岡銀頭取)と藤原さん(藤原一朗・名古屋銀頭取)の友情と打算が生んだ、いい意味で画期的な提携だ」

 静岡銀と名古屋銀の事情をよく知るある地銀関係者はそう評するが、当アライアンスで両行が狙う最大の“果実”とは何か。次ページでは、静岡銀、名古屋銀の提携の舞台裏について明かす。