給与収入だけで老後資金をまかなえるのか不安に思う人が増えている。多くの人にとって「投資」が避けて通れない時代になってきた。資産を増やすという点で大きな選択肢の1つになるのが株式投資だ。「株投資をはじめたいけど、どうしたらいいのか?」。そんな方に参考になる書籍『株の投資大全ーー成長株をどう見極め、いつ買ったらいいのか』(小泉秀希著、ひふみ株式戦略部監修)が3月15日に発刊された。「ひふみ投信」の創始者、藤野英人氏率いる投資のプロ集団「ひふみ株式戦略部」が全面監修した初の本。株で資産をつくるためには、何をどうすればいいのか? 本連載では、特別に本書から一部を抜粋・編集してその要旨をお伝えしていく。
国内市場は年率7%、
世界市場は10%程度の成長が続く
ゲームは国内2兆円、世界20兆円という巨大産業です(2021年現在)。
しかも、国内市場は年率7%、世界市場は10%程度の成長が続いています。これは、国内市場は10年で2倍、世界市場は10年で2・5倍程度になるペースです。
このペースでいけば、2031年には国内4兆円、世界50兆円程度の市場に成長する計算となります。これだけ巨大で成長性も高いゲーム業界なので、当然、成長株も多数出現しています。
日本のゲーム産業の草分けである任天堂(7974)は、1981年に上場してから26年間で株価が400倍になりました(下図)。現在でも豊富なキャラクターやコンテンツを抱えゲーム業界の有力企業であり続けています。
任天堂は、あまり流行りのトレンドになびかずに独自路線を歩み続けている印象です。たとえば、ゲームの主戦場がスマホになっても、任天堂自身はスマホへの事業展開をほとんどしていません。
しかし、任天堂が持っている豊富なキャラクターやコンテンツ、さらに、面白いゲームを生み出し続けている力を考えると、どんな環境変化が起きてもこの会社は楽しいゲームや魅力的なキャラクターを生み出す力を発揮し続ける可能性がありそうです。
2016年には、アメリカのベンチャー企業であるナイアンティックが任天堂の協力をえてスマホゲーム「ポケモンGO」をリリースして世界中に大ブームを起こしました。任天堂のキャラクターの潜在性の大きさが感じられる出来事でした。今後、さまざまな技術やプラットフォームが出てきても、任天堂は強みを活かした事業展開をしていけるのではないでしょうか。
株式・金融ライター
東京大学卒業後、日興證券(現在のSMBC日興証券)などを経て、1999年より株式・金融ライターに。マネー雑誌『ダイヤモンドZAi』には創刊時から携わり、特集記事や「名投資家に学ぶ株の鉄則!」などの連載を長年担当。『たった7日で株とチャートの達人になる!』『めちゃくちゃ売れてる株の雑誌ザイが作った「株」入門』ほか、株式投資関連の書籍の執筆・編集を多数手がけ、その累計部数は100万部以上に。また、自らも個人投資家として熱心に投資に取り組んでいる。市民講座や社会人向けの株式投資講座などでの講演も多数。
ひふみ株式戦略部
投資信託ひふみシリーズのファンド運用を担うレオス・キャピタルワークスのメンバーにより構成された本書監修プロジェクトチーム。
ひふみ投信:https://hifumi.rheos.jp/