米国防総省は29日、今週末にシンガポールで開催される「アジア安全保障会議(シャングリラ会合)」に合わせて米中国防相会談を行うことを提案したが、中国側がこれを拒否したと発表した。中国が拒否の意向を米国側に正式に通知したことから、ロイド・オースティン米国防長官と中国の李尚福国防相との会談は見送られることになる。中国の会談拒否は異例と呼べるほど露骨なメッセージだと、米国防当局者らは述べた。過去にはそうした会談の開催が直前に決まるケースもあった。昨年に行われたオースティン氏と当時の中国国防相との会談は、開催で合意してから数時間後のことだった。米国防総省は声明で、シンガポールで今週、オースティン氏と李尚福氏との会談を実施できないか5月に入ってから打診したが、28日夜に中国政府が拒否する意向を伝えてきたと述べた。